青森旅行記(3日目)

早朝に一度目が覚める。3日目ともなると宿に馴れが出てくる。無性に甘いものを食べたくなり、起きたらコメダ珈琲に行こうと心に決めて二度寝した。

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期間限定シロノワールブラックサンダー味。名古屋にほど近い地域で生まれ育ったので、コメダの大きさは十二分に承知している。ミニサイズを注文した。それでも大きくって、甘い。ラッキーピエロが脳裏をよぎる刺激。

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きょうのバスは10:38発。朝が遅いというだけで、途端に日常の空気が漂いはじめる。旅行の胸の高鳴りは早起きが担保していたものらしい。

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八戸から五戸、五戸から十和田へ。てっきりもっと深い山の中を走るのだと思い込んでいた。あちこちに家がある。工場がある。車が通る。人が乗り、降りてゆく。山の麓に家々の集まるすがたに見覚えがある。青森と私の地元はよく似ている。

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十和田市現代美術館に着いた。思わぬ位置にエントランスがあり驚く。入って左手に進むと、チケットカウンターとカラフルな床が見えてくる。

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最初の展示室で、有名なおばさまと対面した。何度か目にしたはずの図版よりも厳かで、精悍な顔立ち。

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生々しい肌の質感。年月を経て肉に埋もれ、その一部となりつつあるのだろう結婚指輪。耳にかかる細い毛の筋。手を伸ばして触れたくなる。

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緑鮮やかなパンフレットとは違った季節に来てしまった。マットが露出している。

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靴を脱いで椅子に乗り、穴の向こうを覗くという展示。

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さて降りようと床に目をやるとけっこうな高さにいて、一瞬凍った。

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階段の壁面にも作品があった。目玉のモチーフを見ると桂ゆきを思い出す。

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名和晃平の鹿。この背の中に手を捩じ込んだらどんな心地がするのだろう。

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現代アートが扱う大きなテーマの1つに増殖性がある(と思っている)。技術の進展にともなって増殖のギアを上げる生命。追いつかない心。体。過剰な他者との触れ合いで、はち切れそうになる現代のわたしたち。

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美術館を見終えて、気になっていた14-54で舞茸とトリュフのピザを食べる。Sサイズにしたのを後悔する美味しさ。せっかく訪れたのだから、もう1枚お願いしてもよかったな。

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福田菓子舗に寄った。十和田の人はどこへ行ってもあたたかく迎えてくれる。三重から来たの、遠くからわざわざ、今日はとっても寒いでしょう。調子に乗ってケーキをふたつ選んだら、ひとつおまけに入れてもらってぜんぶでみっつになった。

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帰りも一人バスに乗る。行きは五戸を経由したが、こんどは下田の側を通った。JR沿いの道は比較的栄えている。

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無事に宿へ帰り着く。おまけにもらったみっつめのケーキは、箱の微妙な隙間を埋めるべく身を呈して縦になっていた。

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「きゃべつ」という名を冠したケーキを買ったのだけど、これってシュークリームの「シュー」か…!と食べる直前になりハッとした。